2015年3月28日土曜日

【生花一種生け】チューリップ 光に向かって伸びる

【生花一種生け】チューリップ_変化

【生けこみ日】2015年3月21日
【花材】チューリップ

 

本日2杯目は、生花チューリップの一種生けです。

写真の左側は生けた直後、右側はその一週間後です。

植物は(特にチューリップは)光を求めて生長します。

だいぶ茎が伸びましたね。

このように生命感ある変化も楽しめるのが生け花の魅力ではないでしょうか。

 

さて、3月も下旬にさしかかり、気温も春らしくなってきました。

植物は気温が高いほどよく育つので、お花屋さん店頭にもある程度長さのあるチューリップが並び、今回生花として生けることができました。

生ける際には、見る人のことを意識して、春らしさを感じる生け方ができるといいですね。

 

チューリップの一種生け生花の場合には、葉が重要な役割を果たします。

どの葉が副にふさわしいのか。

どの葉が体にふさわしいのか。

目の前にある花材と対話しながら生けましょう。

 

池坊生け花教室 華道教室・ギャラリー
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岐阜県多治見市小泉町2丁目 華道家元池坊翆雲教室
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2015年3月27日金曜日

【生花一種生け】ムシカリ(虫狩)逆勝手

【生花一種生け】ムシカリ

 

【生けこみ日】2015年3月21日
【花材】ムシカリ(虫狩)

今回は、ムシカリの生花正風体を生けました。

お花屋さんから花材が届き、包を開いてみると、びっくりするような面白い形のムシカリの枝が入っていました。

面白い形の枝が手に入ったので、これを主役で生けようと決めました。

まず、枝をじっくり観察し、どの向きから見ると一番映えるのかを決めます。

その結果、逆勝手で副に遣いました。

生けたのは生花正風体ですが、面白い枝の形を活かそうとしたので、新風体に近い正風体となりました。

 

ムシカリ(虫狩)という花材は、生け花に於いては少し扱いづらい花材です。

池坊で言う「花形」を表すのに、枝や草を曲げないといけません。

ムシカリを曲げる場合、折れにくいのですが、矯めてもゴムのように元の形に戻るので、曲を付けにくい花材となります。

どうしても曲を付ける場合は、切溜をして曲をつけましょう。

鮮やかな緑色の葉に、白い小さな花をつけ、可憐な感じが綺麗ですよね。



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2015年3月22日日曜日

【生花正風体三種生け】紫陽花、オクロレウカ、菊 自分の稽古

【生花三種生け】紫陽花、菊、オクロレウカ

【生けこみ日】2015年3月14日
【花材】紫陽花、オクロレウカ、菊

 

今回は、真の花器(幅が狭い)で、池坊生花正風体三種生けを生けました。花形は「真」です。

 

池坊生け花の基本である生花正風体。

この生花正風体は真・副・体の三つの役枝で構成されます。

真・副・体の高さは、花器の高さに対して真が三倍、副が二倍、体が一倍となります。

ここまでは前述通りなのですが、一瓶を表す比率は真:副:体=7:5:3となります。

それぞれの花材の存在感を調整して、この比率に近づけましょう。

 

さて、池坊生け花における生花三種生は季節の花を生けるという意味合いを持っています。

木ものと草ものを組み合わせて、根締め(体)にその季節の花を使うことで、日本の四季の美しさを表現します。

菊は秋の花ですが、今回は稽古のために使用しました。

 

また、生花には正風体と新風体があります。

前者は自然の景観を現し、後者は花材の部分的な特徴を活かしてあげます。

池坊の歴史上、新風体の方が新しく出来たわけですがそれには時代の流れがあります。

 

昔(戦前まで)は、季節の花しか手に入れることができませんでした。

したがって、生ける花は正風体で自然美を表現しました。

しかし、時代の流れとともに物流の発達、栽培技術の向上が起こり、季節の草花以外にも、世界中から或いは、季節に関係なく花材が手に入るようになりました。

そして、扱う花材の種類も増えると共に、花材の季節感はなくなっていきます。

このような時代の流れの中、生まれたのが意匠的表現である新風体です。

 

今回は正風体の三種生花です。自然美を現します。

自然美を表すために幾つかルールがあります。

自然な遠近感を出すために、木物を後ろに、草物を前に生けます。

新風体の場合は、このようなことはありません。

花材として遣う草木は木物、草物、そして通用物に分けられています。

木物と草物は想像通りですが、通用物とは何でしょうか。

通用物とは木物にも草物にもどちらにも遣えるものです。

例えば、竹、牡丹、紫陽花などです。

 

ようやく今回の花材について説明します。

 

紫陽花(あじさい):真・真の後あしらい・真の前あしらい

オクロレウカ:副 草物なので、真の紫陽花の前に挿したいところです。しかし、花材の配置を見て、臨機応変に場所を変えます。

小菊:体(体真・体谷・体先)

 

菊を矯めて曲を付ける時は水を下げてから矯めましょう。

1~2分程度水から出してあげます。

菊に水が上がっている状態ですと曲がりません。

また曲げるときは、指先でつぶしながら曲げてやります。→押し溜め

 

もう一つ、菊のような葉が横に開く花材は生けてあげた後にやらないといけないことがあります。

花材を購入した際は、包装紙で包んであるのですが、これによって葉が折りたたまれてしまいます。

この折りたたまれた葉を、葉の付け根の茎を摘んで捻ることで、広げてあげましょう。

葉が活き活きとしてきます。

 

今回の手直しでは、体の菊の花を省いてもらいました。

上述の通り、体の比率は全体に対して3/15つまり1/5です。花を落としてボリュームを落とし、バランスとってもらいました。



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2015年3月14日土曜日

【生花一種生け】サンシュユ(山茱萸)

【生花一種生け】サンシュウ

【生けこみ日】2015年3月7日
【花材】サンシュユ(山茱萸)

サンシュユ一種で生花を生けました。

サンシュユは3月頃から黄色い小さな花を付ける木で生花によく用います。

 

池坊生花の花形にサンシュユを曲げてしなければいけません。

サンシュユの枝は非常に硬いので、今回は切矯めという矯め方をしました。

枝の太い部分に切込みを入れ、切り込みと反対方向に曲げてあげます。



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2015年3月8日日曜日

【生花】木苺(キイチゴ)、小菊 【自分の稽古】

【生花】木苺、小菊

【生けこみ日】2015年2月28日
【花材】木苺(キイチゴ)、小菊
今回は中津川まで行き、井口先生に稽古をつけてもらいました。

やはり今回も生花の基本を体に覚えさせることがテーマでした。

 

真の挿し口の真上に先が来ること。かつ、真上を向き、生命力を出すこと。

真の高さは花器の高さの3倍、副は2倍、体は1倍。

あしらいの長さは、「後 > 前」

副の前あしらいで、真と副の隙間を埋めてやる。

 

から見ると

【生花二種生け】キイチゴ、小菊 横からの図

つき枝を活用し、挿す本数を最小限にしているため、スッキリとしています。

横から見ると、副の前あしらいは前方向に傾け、真と副の間にできる空間を埋めています。

 

付き枝を活用する

生花は真・副・体で構成され、それぞれあしらいがあります。あしらいを構成するのに、1本加えるのも良いのですが、付き枝を活用するとより自然な仕上がりになります。挿す本数が少ないほど、スッキリとした形になりますからね。

花材を選ぶ時、付き枝まで意識して選ぶと、より自然美を活かしたお花を生けられるでしょう。



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2015年3月2日月曜日

【生花一種生け】アマリリス

【生花一種生け】アマリリス
【生けこみ日】2015年2月21日
【花材】アマリリス
今回は生花一種生けでアマリリスです。
アマリリスの一種生けは、池坊ではかきつばたや万年青のように組み合わせ方が定められています。
しかし、改めて写真を見ると真の葉の向きが少し右過ぎました。

アマリリスの挿し口
図1
アマリリスは葉七枚、花茎二本で組みます。
真は葉二枚、副は葉二枚と花一本、体は葉三枚と花一本で構成します。
生花アマリリスの美しさを、二株で寄り添って育つ様にして現してあげます。
真と副を一株、体をを一株とみなして生けます。
そして、二本の花のうち、前の花は中心線よりやや右(陰方)にずらしてあげます。
生花なので高さは花器の高さの三倍程にします。

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